コレクション: Hidden Accumulated Vision (1998)

人間の視点は、不規則に積み重なって、それぞれの記憶をインテグレート(統合)して、事物、対象を見ている。〈Hidden Accumulated Vision〉は、多くの部分から成り立っている全体像を示す為に、視点が累積した事実を具体化しようとした作品である。

全体は目が眩むぐらい多くの部分から成り立っていて、「視点のブレ」、「多視点」をインビジブルなものからビジブルなものへ変換した視点が累積した事実を、具体化しようとした作品とも言える。

けれども、〈Hidden Accumulated Vision〉のシリーズが完成したものを見ると、インテグレートして全体の姿を見せるだけでなく、物体が全体の姿を成立させている構造が解かれ、崩れ落ちるまさしくその瞬間を示しているとさえ感じるようになる。つまり、創造と破壊の両義性を含んだ作品だと言うように……。